念願だった300Bシングルアンプを作製し大変満足していました。それまでは6CA7の全段差動増幅によるプッシュプルアンプで音楽を楽しんでいたのですが、300Bのアンプが完成してからは我が家のメインのアンプとなっております。週末京都から帰ってきて音楽を聴くのが楽しみの一つになっております。平日をアンプ作製に使えないので、これ以上はアンプ作りはしないと決断し、作りかけだった211シングルアンプやモデル7のクローンもすっぱり諦めようと思い、ヤフオクで出品してしまいました。モデル7は今でも悔いがあります。オイルキャップとフィルムコンデンサーの違いなど聴き比べてみたいと思っていたからです。部品だけは未だたくさんありますので、そのうちに再開したいと思っています。そんな折、少し前になりますがTANGO(ISO時代の)のシングルアンプ用の出力トランスがヤフオクで出品されており、思わず落札してしまいました。それはFC-30-10Sというものでインピーダンスは10KΩですがかなり電流を流せます。また、低域までしっかりと音を伝える優れたトランスです。300Bでは3.5-5kΩ位の出力トランスが望ましいのですが、8Ωのスピーカーをトランスの16Ω端子につなぐとこのトランスを5kΩとしてドライブすることが可能になります。また、段間トランスとしてNC-16もゲットしてしまいましたので、またもや300Bのシングルアンプを作りたいという欲求が沸沸と湧き上がってきました。
今回はゴールデンウイークの後半を東京の自宅で過ごすことに決めていたので、とうとう作るために部品を集め始めてしまいました。このアンプの売りはトランスドライブするときにプッシュプルでドライブするということです。インターステージトランスは容量も小さいので少ない電流で飽和してしまいます。プッシュプルでドライブすると電流が相殺されるので比較的大きな電流で力強くドライブできると考えました。今回は300Bの動作点として390V、70mAと設定し、比較的大きなパワーを引き出そうと思います。
素人が設計したものですので、この回路を試されて起こった事故につきましては自己責任でお願いいたします。
電源回路はここにあります。
以前同じものを作って成功しているので、この良さを誰かに体験してもらいたく、どなたかに譲ることを前提に作り始めることにしました。問題は多くの時間が取れないということと、肝心要の300Bを入手していないということです。電源トランスとチョークトランスは新生ISOで購入しました。旧来の価格とあまり変わっていないので助かります。部品だけを時間かけて集めてどなたか興味のある方にお譲りしてつくってもらおうか、それとも最後まで自分で作ろうか迷いながら作業を始めてしまいました。とりあえず、シャーシの加工およびレタリングは自分で進めました。シャーシに機構部品とトランスを載せてみるとなかなか見栄えがします(自画自賛です)。