初段および中段は6SN7を使い差動回路にしました。定電流はLM234というレギュレーターを使います。今までこれを使い不都合はありませんので、今回も
採用します。初段と中段は直結します。中段のプレート電流は初段の偏りにより大きく左右されるので、初段のカソードにVRによる可変回路を採用します。
交流的に短絡するために1800μFの電解コンデンサーを使いました。中段から増幅管へはバイパスコンデンサーを使う予定です。0.33μFとしてあるのは
Black Beautyのフィルムコンデンサーをたくさん所有しているので、それを使いたいからです。大体CRが固まりました。RSというオンラインストアーで
必要なものを注文しました。100kΩAカーブの可変抵抗は入手が難しそうですね。TOCOSでは今でも製造しているのでしょうか?
Bカーブのものはどこでも買えそうですが、Aカーブとなるとなかなか難しそうです。次に帰国した時に秋葉原で調達するつもりです。以前EL34PPアンプを
作った時にオーバーオールで少しだけNFBをかけました。これでダンピングファクターの改善を図ったという記憶がありましたので、
今回も採用しております。波形を調べながら最終的にはどうするかを決める予定です。
シャーシはタカチ製のSL-10Gというものです。以前KT88のPPアンプを作った時と同じものです。だんだんと気持ちが入り込んできます。早くとっかりたくて
ウズウズしてきました。次回は2月の末に帰国しますので、その時に着手したいです。
B電源について再度調査しました。TangoのMX-280をSiダイオードで整流した場合、280V端子出力ではタンゴのトランスデータから370Vと読み取れること、
過去の実験結果の記憶から、372Vと設定して計画しました。中国に持ってきたKT88PPアンプの電源を繋いで出力電圧のテストをしました。
このトランスはISOのMS3228であり、EL34で使うものと同じものです。その結果、
250mA負荷をかけた場合340Vとなりました。そこで全面的に回路の見直しをしました。今度は初段から積み上げる形で考えてみました。
まず、初段ではB3に125Vを供給した場合はプレート電流が2.5mAでプレート抵抗が22kΩなので初段のプレート電圧が概ね70Vとなります。中段とは
直結することから70Vの電圧を嵩上げして考えます。B2を300Vに設定して6SN7の動作直線を調べてみました。(下の図です)
まず初段について青色で示します。125Vを起点として22kΩのロードラインと2.5mAの交点からバイアスが-1.7V程度と読み取れます。
次に、300Vから嵩上げ分の70Vを差し引いた230Vを起点として22kΩのロードラインを引きます。赤色で示してあります。4.6mAとの交点が動作点となります。
そこでのバイアスは-4vとと読み取れます。0Vから-8Vまでスイングした時は72Vから170Vとなり、概ね100Vくらい出力できるので十分EL34をドライブできると
思います。EL34の動作についてですが、当初350Vで50mA程度を考えていたのですが、B1電圧が320Vとなると、トランスでの電圧降下を考えると
290Vあたりとなります。50mAにするためにはバイアスがかなり浅くなり-22V程度となります。それを踏まえて固定バイアスの回路の抵抗値を変更しました。
別の選択肢としては280Vの端子から320Vへ変更することも考えられまが、とりあえず280Vで設計します。プッシュプルの回路では交流負荷がトランスインピーダンスの
半分となりますからA級動作では本来は2.5kΩとなり、さらにB級では1/4となり1.25kΩとするべきと教科書に書いてあります。浅学ゆえに完全に理解できて
おりません。ロードラインは直線ではなく曲線になるようです。考え方のベースとして5kΩのロードラインだけ引いてありますが、EL34のロードラインは
あまり実態を反映していないようです。A級からAB級さらにはB級へと遷移していく時はどのように解釈するのか?・・・奥が深いです。
帰国したので早速アンプ作製に取り掛かりました。まずはフロントパネルとリアパネルの穴あけをしました。その後レタリングを施しクリア塗装しました。
天板とサブ天板パネルは以前FX-40というトランス仕様に作ってもらっていたものをFC-60用に再加工しました。サブパネルに取り付けるGT管ソケット、ラグ板
ブリッジダイオード、3端子レギュレーターおよびコンデンサバンドのネジ穴を開けました。