KT88PPアンプ作製
 最近ずっとプリアンプにハマってしまい、なかなかメインアンプを作ってこなかったのですが、久々にメインアンプを完成させました。実は一年以上前から作り始めた のですが途中で放り出していました。ことの始まりは、ヤフオクを時々チェックしていたときに、TangoのXE-60-3.5といトランスを発見したことです。アンプ作りを 本格的に始めた頃はすでに平田電機はなく、ISO Tangoに引き継がれていました。そのため、今まで作ったアンプのトランスはほとんどがISOかISO Tango製です。口の悪い 人はこのトランスのことをゴンタ製という人もいると聞きました。つまり昔の平田電機のTango製のトランスの方が1枚上だということでしょうか。古き良き時代には贅沢な 材質をふんだんに使い多種多様な製品があった様で羨ましいと常日頃から思っていました。そんなわけで、旧Tango製のトランスに憧れを持っていましたので、少し高額でしたが トランスを落札してしまいました。XEシリーズは当時としては最高級なラインアップだった様です。XE-60-3.5は60W級のプッシュプルアンプに適しており、インピーダンスが 3.5kΩということですので、KT88のPPアンプを使ってかなり高出力なものを作ろうと思い立ちました。電源トランスをどうしようかと思っていましたが、結局MX-280というものしか 手に入らなかったので、電流を絞った大人しいアンプになってしまいました。KT88のプレート電流をとりあえずは1球当たり50mAにしました。60mAくらいまでは流しても 全く問題ないと思うのですが、発熱の問題や個人の家のリビングで鳴らすぐらいなのでこの様に設計しました。シャーシはタカチ製のSL-10Gというものです。EL34PPアンプでも 同じものを使っています。出力トランスがEL34PPで使ったFX-40-5からひとまわり大きくなった事が相違点です。その他はおなじ寸法です。

現状での回路図は以下に示してあります。シンプルな全段作動増幅の構造にしました。NFBは全く使っていません。
回路図はここにあります。
出力トランスのXE-60はカソードNF端子(CF1-CT-CF2)がついています。また、SG端子もあり、色々なバリエーションが楽しめそうです。今後アンプの電気特性とヒアリングを 行い、どの様な結線が自分にとってベストなのかをじっくりと時間をかけて楽しもうと思っています。

完成したアンプを早速我が家のメインシステムにつないで音出しをしました。以前作った全段差動増幅EL34PPアンプを比較対象として比べてみました。高音域については あまり大きな差異は聴感上感じませんが、低音は全く違います。これは驚きです。これはきっと低音域のトランスの透過率が違うからだと確信しました。ISO Tango製の FX-40-5と旧Tango製のXE-60-3.5の実力の違いを見せつけられた気がします。こうなってきますと、現行のISO製のFC-60-3.5と比較したいです。ぜひともその機会を 儲けたいと思いました。我が家の別室にあるサブシステムとしてこのメインアンプを採用することにしました。とてもクリアーな音が気に入っています。 そろそろ、ほったらかしているRIAAアンプを完成させなければなりません。コロナ汚染により、テレワークになっていますので東京の自宅に戻り、アンプ作りをしようと思います。



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