81年製ウエスタンエレクトリック WE300B
以前ある方から300Bアンプの作製依頼をされたので1台作製しました。今まで作ってきたプッシュプルによるトランスドライブ型のアンプです。現在自宅のメインアンプとなっているものと全く同じものです。その後何度かその方のお宅にお邪魔したりして交流をさせていただいております。その方が最近すごく程度の良い1981年製のWE300Bマッチドペアを購入されました。バイアス調整など、メンテナンスを兼ねてそのアンプとWE300Bをお預かりしました。千載一遇のチャンスなので、我が家のノーブランド中国製300BアンプとWE300Bアンプを同じ条件で運転して、繋ぎかえながら音の違いを見ることにしました。

写真の中で左側がWE300Bのアンプで、右のそれが我が家の中国製のアンプです。場所がないのでスピーカーの上に置きました。両方のアンプをウオームアップした後どちらを先に聞くのが良いか悩みました。美味しいものを先に食すべきか、後にするべきかそれによって印象は大きく変わる可能性があるからです。微妙な差異の時は聞く順番も結果の評価に影響を与えるかもしれません。結局、最初にWE300Bを聞くことにしました。その後、中国製です。以前にも同じような聞き比べをしました。その時は、復刻版の訳ありWE300Bを片チャンネルにさして左右のスピーカーから出てくる音の違いをじっくりと聞きました。まずその時の印象からお話ししますと、WE300Bの方が音の重心が低く低音が豊かな印象がありました。その時の印象は先入観になりますので、なるべくそれを考えないで聞きました。今回は、Jazz bar 2001のアルバムを聞きました。本当に驚いたことに、低音の違いだけではありません。高音域の音が明確に違います。ハイハットのシャープな音が全く違います。WE300Bの方がはるかに高音域まで音が再生されていると思いました。これはニュアンスの違いの印象を議論しているのではなく、事実をお話ししています。明らかに電気的な特性として優れていると言えると思いました。情報量がはるかに多いということです。中国製の300Bにつなぎかえると悲しくなるくらいにその差は歴然としております。いつもは、オーディオのHiFi化に批判的な家内もこればかりは大いに納得してくれたようです。しかし、WE300Bを買うことに同意してくれたわけではありませんが・・・その後はおきまりのバイオリンを聞きました。もちろん豊かな芳醇な香りを呈する音といって良いと思います。万人が素晴らしいと評価しているWE300Bは本当に素晴らしいです。いつかは絶対に手に入れたい物のリストに書き込みました。どちらを先に聞くかは今回は全く重要ではありませんでした。

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