オルゴールの音色により、癒しの効果が本当にあるそうです。一部のリュウマチを患っておられる方にも効果があったそうです。また、童話作家とコラボレーションして大変夢のある玩具のオルゴールなども創作されております。
2014年6月5日 音楽を愛する人々
今日は大変すばらしい経験をした。学生時代の友人と姫路までとある学会に参加するために出向いた。その日の夕刻その友達が以前からレッスンを受けているクラッシックギターの師匠のところに行かれるということで私も一緒にお邪魔した。その先生とは、あのセゴビアさんの愛弟子でおられる大変すごい技術をもたれた世界的に有名な松田晃演先生です。先生のホームページはつぎの通りです。
松田先生のHPです。一度お尋ねください。姫路郊外の少し高台にお住まいです。スペイン風の瀟洒な佇まいのお宅でした。玄関を入ってすぐのところにレッスン室と思われるとても広いお部屋へ案内して頂きました。吹き抜けの高い天井と歴史が詰まった空間が異次元の入り口のようであったことを記憶しております。初対面の私に対しても先生はとても優しく接して下さいました。
しばらく世間話をしているうちにいつしか松田先生の世界へと誘われていきました。あっという間だったので今思い起こしても何も記憶していないくらい不思議な時間が経過しました。そのうち先生ご夫妻のSPレコード再生装置を見せて頂きました。大きさは昔のステレオセットくらいでしょうか。観音開きの扉の正面左側はラジオなどが入っていたそうです。必要がないので、そこを関連するモノをしまう収納棚へと改造されたそうです。向かって右側が大変な装置です。SP再生のための空間ですが、ほとんどがすばらしい木工細工で調度品のような雰囲気がありました。上部にターンテーブルとカートリッジが鎮座しています。レコードの溝に刻まれた音源信号を針が拾い、薄い雲母版により空気振動へと変えられ導波管のような管により装置の下段へと導かれていきます。開口部はちょうどバックロードホンのようだと思った記憶があります。そこから、思いがけない音が飛び出してきます。全く、電気的なアンプを介していない本当に力学的な音がそのまま再生されているのです。この音は確か昔どこかで聞いた音だと即座に納得しました。松田先生の奥様が自ら昔のプレーヤーを修理再生されたとのことです。また、奥様は針をヤスリで磨かれます。先生が、それをつけて再生と、ターンテーブルに回転の力を蓄えるハンドルを何回もまわしておられる姿が印象的です。針はその尖らせ方と、長さ及び堅さで音楽の種類をかえておられるとのことでした。また、ミンクオイルを数的たらした水で丁寧にSPレコードの表面を洗浄して再生して頂きました。
色々なレコードを再生してくださりました。中でもヨアヒム自身によるバッハの無伴奏バイオリンソナタ1番が圧巻でした。奥様がおっしゃるには「気が狂いそうな絶対的な演奏」ということでした。奥様が「このレコードは最後にお聞きになった方がよろしいのではないでしょうか?」と言われたのをとっさに理解しました。その後はしばらくの間、その音が体に取り憑いたような気がしました。後日、東京の自宅にてステレオでバッハの無伴奏を聞いてみましたが、なんだか作られた音のような気がしてきて、なかなか音楽に入り込んでいけなくなってしまいました。目をつぶると今でも、先生のお宅で聞かせていただいたSPレコードの音が頭の中で鳴っている気がします。すぐにでもSPレコードの世界に踏み込みたいところですが、自分の本能がそれを阻止している気がします。ひとたびその中に入り込むとすべてをそれにつぎ込みそうで大変恐ろしい気がします。SPレコードは魔物のような魅力を潜ませているようです。先生がおっしゃった「もう少し早くSPレコードが発明されていたらパガニーニの演奏も聴けたのになあ」という言葉を耳にして、技術者の使命とはなんたるかという思いが浮かんできました。
2014年6月3日 蒸し暑い夕刻
家内と二条の自宅で夕食をとる。ふとした話から「蛍」の話題になった。私は今までに人生で2回蛍をみたことがある。最初は名前は失念したが家族につれられていった「八芳園」みたいなところであった。何の感動も無くただ光った虫がたくさんいたことを記憶している。小学校の低学年であった。その次に見たのが成人してからである。ボーイスカウトの隊長をしていたときに、信州のとある水田で夕刻に蛍が光りながら飛翔しているのを見た。そのときはさすがにすばらしいと思った記憶がある。今日の夕食後8時過ぎに、蛍の話で盛り上がって、蛍を見に行くことにした。銀閣道近くの北白川の疎水にいるという情報があったので、203のバスに乗って行ってみた。9時頃であった。すぐにたくさんの蛍が飛翔しているのを見ることができた。何と感動的な光景だろうか?けなげに求愛をする雄がエネルギーを費やしている様は人生の縮図を見ているようであうる。思ったよりも緑がかった色である。つまらない言い方をすれば緑色のLEDの色に似ている。明滅の周期が以外に短いのには驚いた。家内は生まれて初めて野生の蛍が光っているのを見たそうだ。我々の東京の自宅の世田谷にも民家園というところで飼育した蛍を見ることができるが、自然の中でしかも人里で見ることができることはとっても価値が高いと思う。私は少しビールが入っておりほろ酔い加減であった。プラプラと歩いてきた紳士が声をかけてきた。この辺りで蛍が見られるそうですが・・・すかさず私が「ほらそこにいますよ」といって指差す。当の紳士も大変感動されてしばらく無言で見入っていた。その吾人も大分出来上がっていたようで、二人して与太話をして分かれた。何とも楽しい時間を過ごすことができた。たわいもない営みから充実感を味わったひとときであった。とても得をした気分である。寝苦しい蒸し暑い夜にお恵みをもたらしてもらった気分だ。また明日からがんばろう。
2014年2月2日 雨のち晴れ
今日は節分祭の日だ。家内と連れ立って10時半頃自宅を出る。三条河原町の新進堂でランチをする。家内はチャウダスープとブレッドサービス、私はスープカレーハンバーグ入りとブレッドサービス。パンが食べ放題なのでついつい食べ過ぎてしまう。スープカレーは絶品です。JR京都駅のヨドバシにテスターの特殊な電池を買いにいきました。その帰り道に、学生から教えてもらったオーディオショップ(高倉通と七条通りの交差点近くにある)絵馬木屋に立ち寄る。喫茶店のようなたたずまいのお店である。入った瞬間すばらしいJBLのコレクションに目を奪われてしまう。隅の方から店主が声をかけてくれた。「お天気が悪おマッスなあ」。マランツのアンプがあり家内に「これ昔使っていたのに似てるね?」というやり取りにすかさず割り込んできた。待ち構えているような感じ。「結構オーディオわかるんですね」といった会話からはじまる。「えー大好きなんですよ」とこちらもノーガードで言葉を返してしまったことが地雷を踏むことになったようだ。「どんなスピーカーを使われているのですか?」という質問に躊躇なく「タンノイです」と返してしまった思慮の無さを後から嘆くのであった。JBLのお店なんだからもう少しましな返答もあったのではないだろうか?まだまだ修行が足りないようだ。私の言葉に店主はここぞとばかりくいついてきた。「お客さんはクラッシックを聞かれるのですね。JBLでも繊細な音がでるんですよ。ちょっと聞いてみてください。」と勧められるままに店主が見せてくれたスピーカーに注目した。何と大口径のダブルバスが入った箱にアルテックのホーンが乗っていた。しかしホーンのドライバーは当然JBLでした。そこからとんでもない音が飛び出してきた。ネットワークも全部込みで46万円である。場所が許されるのなら欲しいところである。ここはぐっと我慢した。店主は更に小型のJBLもぐいぐいと押してきた。DENONのちっちゃなシステムコンポですごい音を鳴らすのでただただ脱帽するばかりである。私がアンプ作りをやると告白すると「そんなもんやめなはれ。作ったもので良い音が出るはず無い、それよりスピーカーに入れ込んだほうが良い」といわれてしまった。生まれて初めていわれた言葉であるが、もしかしたら真理かもしれない。その後しばらくの間JBLの生々しい音が念仏のように頭の中からはなれないでいた。バスにのり百万遍まで行きホームセンターで買い物をして川端通をぷらぷら帰ってきた。途中でゲーテインステティユートでお茶をして帰ってきた。JBLのスピーカーが欲しい。