Marantz Model7 KCXXII(22) の作製
モデル7を使う予定もないので今後はどうしようかと思っていた矢先に、ヤフオクで罪深いものが出ていました。 それはシャーシとフロントパネルのセットです。 研究用に是非とも必要だとかなんとか、自分に言い聞かせて落札してしまいました。 35000円ほどでした。早々に簡単決済をして届くのを楽しみに待っていました。そのときは、新しいクローンアンプを作るというより、寸法を 測り直したり、図面を起こしたりしてみようと思っていました。いざ届いてみると、なるほどと思うくらい素晴らしい出来栄えでした。 多分、ガレージメーカーが作った複製品だと思われますが、細部に至るまでよく再現されており大変満足しました。 オリジナルに忠実ということは重要なことですが、RCAジャックが悪名高きものであり、シャーシとの接触はリベット打ちになっています。
仕事がありなかなか東京の自宅に戻れないでいるうちに、頭の中ですでに組み立て始めてしまっていました。今回はせっかくだから 在庫している部品の中でも気に入っているものを惜しげもなく投入して最高のものにしたいと、頭の中で妄想が広がってしまいます。
レバースイッチも前回のModel7-21と同じものを使いました。Equalizer用は別のものですが、4回路3接点ということでは 同じです。ソケットはEbyのものをおごりました。気がつくと22番目のクローンです。感無量などと言う感傷は全くありませんが、 良い音でありますようにと思う限りです。トランスは春日無線さんに特注しました。B電源は230Vで、ヒーターは17Vにしました。 従って、ヒーターはいつものような倍電圧整流ではなくブリッジ回路にしました。B電源用の電解コンデンサーはCE Manufacuringという アメリカのメーカーが往時のブロックコンデンサーを復刻しています。ツイストロックでボードに固定するものです。今回は Antique Electronic Supply というアメリカのサイトから購入しました。ヒーター用はニチコンです。
シャーシは、2つのパーツから構成されています。フロントやリアーパネルと1枚の側面がつながっているものです。最終的にはそれらを側面にある 4個のネジで固定します。フロント+側面、リアー+側面というように2分割しています。この状態でいろいろな部品を装着するのはとってもやりやすい です。これは大変素晴らしいです。側面とフロントやリアーが繋がっているので自立します。当たり前ですが、そうするとパネルを支える必要がないので 配線やハンダ付けが大変楽になります。RCAプラグは随分古いもの(数十年は経過している模様)で、ハンダをのせようとしましたが、全くなじまないです。 全てのジャックをやすりで磨くのも大変だと思いました。たまたま、液体のフラックス(ハンダ用)をホームセンターで見つけましたので、試してみました。 これは不思議です。全くなじまなかった、金属の表面がフラックスのおかげできれいに濡れてくれました。サンドペーパーをかけるのは大変だと思ったので、 助かりました。
いつもはセレクターのロータリースイッチは小島製作所で作ってもらっていたのですが、今回はセイデン製を使いました。シャフトが長いので5ミリほど金鋸で落とす必要 があるのが嫌ですが、接点がプラスティックで覆われているのでホコリなどに強いので、採用してみました。メインボードにCRをマニュアル通りに付けていきました。 これが最後だから、丁寧にと思いつつ丹精込めてはんだ付けしました。イコライザー部分では2つの電解コンデンサー(250と100μF)が必要になりますが、 ここではSpragueの銀タンタルコンデンサーを使っています。その他は全てSpragueのBlack Beautyを使いました。最終段のコンデンサーはCTLのセラコンにしました。 これは初期のオリジナルに合わせてあります。
グランドの不良を予防するために、全てのアース線を本体のアースへ接地しました。Model7の修理でもこのようなことを行っているのを見たことがあります。 あくまで予防措置です。今となっては全く使う予定はありませんが、TapeHeadのイコライザー用の可変抵抗器にクラロスタットのものを用いました。ほとんど完成 してしまいました。Tone回路も完成しているので、RCAジャックからの信号線を接続すれば完成です。このアンプは特別なので、現在の生活のベースとなっている 京都に運んで、日々楽しむアンプにしょうと思っています。最終的にどの真空管にしようかなどと頭を悩ませています。

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