Marantz Model7 KCXXIII(23) の作製
ガレージメーカーが作ったModel7のコピーシャーシを使ったモデル7クローン(22)を完成させられていません。それは、今年(2021年)夏から 東京の自宅を長男夫妻と住むための2世帯住宅へとリフォームする話が持ち上がり、2021年初頭から不用品に対する断捨離の嵐が吹き荒れていましたので、 アンプ作成などする気持ちになれないでいたからです。そんな折り、出張の帰りに秋葉原で降りてなにげなく電気部品を冷やかして帰ろうとおもった 2月下旬のことでした。若松通商でウインドウの中に陳列されていたArizona Capacitorのオイルキャップを偶然見てしまいました。お財布を見たら あまり暖かくなかったのですが、0.1μF2個と0.01μF4個をなんとか購入できるお金がありました。後先考えずに購入してしまいました。
アリゾナキャパシターのオイルキャップで構成されたモデル7を作ろうと漠然としながらも決断した時でした。 モデル7クローン22は全く手をつける気力が湧かないのに、新しいプロジェクトは手が進んでしまいます。 気がついたらシャーシの金物加工、塗装、レタリングやメインボードが完成していました。
その後、東京の自宅でどうしても残しておきたいものなどを京都の下宿に送ったり慌ただしい日々を過ごしておりました。またコロナも蔓延しており 何も計画的にできない状況が続いておりました。幸い、夏になりリフォームのための一時の引っ越し作業も順調に進み、ひと段落いたしました。 こんな中で良いことも少しありました。今まで集めていたアンプや、真空管などヤフオクで処分しましたので、少しだけ懐が温まっていました。 そんな折にまた秋葉原に行くことがあり、若松に行きましたら、なんとArizona Capacitorが品切れで販売していませんでした。 いつかはアリゾナのオイルキャップを使ったモデル7のクローンを作りたい気持ちが漠然とありましたから、大変焦りました。 お店の方に尋ねると一時的な欠品ということでしたから、思わず注文してしまいました。地方へも発送してくれるということで 京都に送ってもらいました。アリゾナキャパシターのオイルキャップは0.01μFx4個、0.1μF2個、0.22μF/400V4個と0.47μF2個です。
0.47μFは2つとも0.45μFと少し小さめでしたがよく揃っていました。0.22μFのコンデンサーは0.215、0.216、0.233、0,234μFでした。 幸い、値の小さいものと大きいものとに分けて使えば問題ないと思われます。アリゾナキャパシターの数値は素晴らしいです。 0.1μFのコンデンサーは0.103と0.105μFでした。0.01μFのコンデンサーは0.097、0.097、0.103、0.104μFでした。 Tone回路のNFBを構成するβ回路用のCRは82kΩと0.33μFです。この0.33μFは以前に複数個購入していたGudemanのオイルキャップを使う ことにしました。
容量は0.320と0.322μFでした。その他のコンデンサーとしてはイコライザーの初段と次段の電解コンデンサーはSpragueのタンタルを 採用しました。221と222μFでした。100μFのものは97と98μFでした。コンデンサーについてはこれ以上は望めないものと信じています。
これらのコンデンサーをメイボードに取り付けます。また、抵抗も取り付けて、フロントサブパネルの金物加工、トーン回路ようCR の取り付け、電源ボード、イコライザー周り、フィルター周りの加工して、最後の砦のRCAプラグからセレクターへの配線をして 完成ということになります。道は遠いですが、焦らず進めていこうと思います。音の違いがわかるのか大変楽しみです。 ブラックビューティで構成されたものとじっくりと比較してみたいです。
夏休みの間、暑さにめげながらも作成に励みました。気がつくと完成していました。 0.47μFのコンデンサーは大きく直径が20ミリ、長さが61ミリありました。全てが完成したので、 はやる思いを抑えながら、配線のチェックを進めました。案の定セレクターのところで大きなミスを犯していました。 このようなミスを見つけてしまうと、疑心暗鬼になってしまいます。今回はTEN(神戸工業)の12AX7で程度の良いものを揃えて見ました。 TENは1920年に川西機械製作所として出発したようです。戦前・戦後を通じて真空管の作成も行なったようです。最初は通信用でのちにオーディオ用の真空管を製造するようになりました。 その後神戸工業となり、富士通テン、デンソーテンとなり現在に至っているようです。どこかの記事で作りがしっかりしており信頼性の高い真空管を作っていたとのことでした。 どのような音になるのか楽しみです。数日寝かせて恐る恐る電源を入れました。B電源、ヒーター電源その他のチェックポイント全て正常でした。一安心です。早速音出しをしました。 ここで、まさかのボソボソ音がRチャンネルから出ています。ボリュームやバランスを回すと盛大なガリが発生しました。素性のわからないViolet製ポテンショでしたので、早速 東コスの新品のボリュームとアルプスのバランスに取り替えました。見た目はハンダの痕跡もなくNOSに見えましたが残念な結果でした。またRチャンネルからのボソボソオンは 数分すると消えることから典型的な真空管の不具合に感じましたので、関係するV4の真空管を別のものに変えてみました。
その結果不具合は解消されました。それから 1月ほどレコードとCDを中心に毎日2時間ほどエージングを兼ねて音楽を聴いています。使うほどに滑らかになってくる気がします。ブラックビューティーの時にはこのような 音の変化は感じませんでした。もしかしたらオイルコンの特徴なのでしょうか?アリゾナキャパシターは大変優れていると感じました。現在途中でほったらかしになっている モデル7クローン(22)のコンデンサーもブラックビューティーからアリゾナキャパシターのオイルコンに変えたくなってしまい、1セット購入してしまいました。
大変な散財です。(22)のモデルはデッドコピーと思われるシャーシに組んだものですから最高の部品をつけたいと考えていました。これから時間をかけてゆっくりと オイルコンに変更する予定です。今回アリゾナのオイルコンを初めて試しましたが大満足です。もちろんこれは個人の感想であり自分の駄耳による印象です。 高いものを買ったという先入観もありますが、自分を信じたいのは時間と共に音に艶が出てきたあたりす。どなたか同じような経験をされた方がいらっしゃったら ご経験を教えていただきたいと思っています。

プロフィール  作品集  徒然なるままに  好きな音楽



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