Marantz Model7 No.29 の作製
長い間ホームページの更新をしていませんでした。その間色々なことが重なり、なかなか時間を取れずにいました。令和6年3月に定年退職をしました。 その後、縁があり中国のある大学で研究・教育活動を続けいています。退職を機に全ての仕事をすっぱりと辞めてしまい、オーディオ道まっしぐら という選択肢もありましたが、ダラダラと引き続き仕事をすることにしてしまいました。職場の撤収やら引っ越しやらしている途中にPCがクラッシュ してしまい趣味のメールなどが消失してしまいました。仕事関係はバックアップがあったので何とか復活できました。そのようなわけでホームページの 更新についても、その復旧に相当時間と労力がかかりましたが、何とか復活できて大変嬉しく思っております。令和5年10月頃から後の1年間の 出来事を中心に紹介させていただきたいと思います。マランツのクローンについては、手持ち部品を全て消化したいとの薄弱な根拠からいくつか作製に 着手しています。未完成のものもあるのですが、現時点で30台目となってしまいました。ここでは29台目のものについて紹介したいと思います。

手持ちのパーツでシルバーのフェースとつまみにしました。また、買い置きしてあったアリゾナキャパシターブルーカクタスの最後のストックです。 中国に来てゆっくりと時間をかけて完成させました。日本にいる時にシャーシを組み立てて、パネル類を装着し、ウッドケースに格納した状態でスーツケースにいれて 運びました。X線検査で引っかかっていたようで、スーツケースが回転台から出てきた時に赤いテープが貼られていました。案の定、税関を通過するとき 呼び止められ中を調べられました。最近はあまりドキドキしなくなったのですが、この時は焦りました。中を見せて趣味の自作アンプの作りかけだと 答えました。税関の人とは英語の翻訳機を使って会話をしました。自作のものということで、あっさりと解放されました。こんなものに関税をかけられたら 大変残念なのでよかったです。ウッドケースが保護剤として働くだろうと思いシャーシを組み立ててきたのですが、むしろ組み立て前のパーツで全て 持ってくれば調べられることもなかったかもしれません。

完成したので、種々のチェックののち音出しをしまた。一発でなかなか良い音を出してくれました。今回は時間がたっぷりあったのでゆっくりと、丁寧に 配線をしたのでミスがなかったようです。しばらくエージングをかけてと思い電源オンで音楽を聴いていたのですが、1時間ほどで右チャンネルから音が 出なくなりました。それは突然訪れました。右チャンネルなので真空管のV4かV6のどちらかの不具合だろうと当たりをつけました。

しばらくやる気がなくほったらかしにしたのち、気を取り直してアンプをラックから外してみることにしました。何と一目瞭然ですが、V4の真空管の ゲッターが真っ白になっていました。こんなことが起きるのかと驚きました。東芝のHiSというものを使っていました。装着した時は全く問題がなかったのに 通電して数時間で昇天してしまいました。ソケットに近い根元でガラスの破損がありソケットから抜き取るのに苦労しました。差し込む時に大きな力が 加わりガラスを破損させたか、歪みを作ってしまい、ヒーター加熱で最後の一押しをしてしまったのでしょうか。手持ちに同様の東芝の12AX7がなかったので Matsushitaの丸TをV4とV5にさしました。その後は調子良く稼働しています。

メインアンプはいずれはKT88ppにするつもりで、日本で作りけていたものを中国に運びました。ラックの最上段に載せてあります。まだ完成していませんので、完成するまでのツナギとしてDENONの ソリッドステートプリメインアンプ(PMA-390SE)をヤフオクで破格で手に入れました。これはこれでなかなか良い音を出してくれます。今はこのアンプをメインアンプ として繋いでいます。

現在の中国での私生活を少しだけ紹介させてくださ。永住するわけではないのでIKEAで安物の本棚を買い込みそこに色々と収納しています。カラーボックスのような ベコベコの板なので本を載せるとしなってしまいとても脆弱です。寸法を図り日本のDIYショップでカットしてもらった板をつっかえ棒のようにしてささえています。

中国では余った時間をどのように過ごすか、随分と心配しました。友達もいないし好きなカフェや街中華のお店もありません。哲学の道などのような散歩エリアもまだ見つけて いません。日本からは多くのDVDやCDを持ち込みました。そのようなわけで趣味のオーディオをこちらでもやれるようにと思い最低限の測定機器や道具を運んでいます。 税関でもうまくやれば問題ないと確信できましたので、以前作ったModel7-22を運んできました。これを作った時は時間的な余裕がない中大急ぎでつくったせいか 雑な配線が目立ちます。また、レバースイッチが日本製のもので立て付けが甘く、レバーに少し力を入れるとゴソゴソとノイズを発しますので、セントラルラボ(CRL)に 変更しようと思っています。少しづつ進めるつもりです。

Model7-30のパーツも作り始めています。これが最後となるでしょうか?今までモデル7K(キット)を忠実に再現することを最優先させ作ってきたのですが、 プリアンプの入力部分に同軸ケーブルを使ってNFB回路へと導いている部分でがずっと気になっていました。 オリジナルは黄色の単線が使われているようです。同軸にすることでノイズに強くなる一方で周波数特性が落ちるのではないかと、感じています。 そのようなわけで今回は同軸ケーブルを使わない仕様にしてみました。あまり大きな差はないかもしれません。 今度帰国した時にModel7-30の他の部品も中国に持ち込み少しづつ作ることにします。


プロフィール  作品集  徒然なるままに  好きな音楽



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