Marantz Model7バランス抵抗について
モデル7のバランス抵抗について少し調べてみました。いつもはアルプスのMNカーブの1Mオームの2連抵抗を使っているのですが、 偶然TOCOSのACカーブの抵抗を手に入れることができました。そこで、この抵抗に変更しようと考えたからです。従来はBカーブが 使われていたのかもしれませんが、詳しいことは分かりません。図の左がアルプス製で右は東京コスモス製です。型番はRV30YG20Sです。 RV30シリーズは炭素皮膜型の可変抵抗で消費電力は4/5 Wであり直径は30mmと比較的大きなものです。最近RV24シリーズの500 kΩ 2連のAカーブのものが製造中止になったようで、現在入手可能なのはRV30シリーズのみのようです。そこでボリュームと バランスを同じRV30シリーズで揃えてみたくなりました。
回転角度と抵抗値についてし詳しく調べてみることにしました。ネットで全円分度器の画像をダウンロードして プリンターで打ち出したものをクリヤーケースに入れて即席で角度が測定できるものを作りました。
この分解能であれば5度刻みから十分に精度良く測定できそうです。まず最初にアルプス製のものについて測定しました。 ここでは10度刻みで測定しました。左がMタイプで右がNタイプの結果です。Maxの抵抗はMが0.82 MΩでNが0.88 MΩだったので 図のプロットはマックスの抵抗で規格化し相対抵抗値として示してあります。
MNの抵抗に写真のように順番をつけて抵抗値を測定しました。バランスの用途に特化して作られており、 理想的なプロットなっています。マイナスが左チャンネル側で、プラスが右チャンネルがなので 左チャンネル(Model7では白色(A))をN23が受けもち、右チャンネル(灰色(B))をM12が受けもつように 配線すれば良いことになります。
次にTOCOSのACについて同じように測定を行いました。下図のように番号をつけて測定した結果です。 シャフトのナットに近い側がAカーブで遠い側がCカーブです。ここではセンターは150度です。ゼロに近い方が 左チャンネルです。300に近い方が右チャンネルとなりますので、ここでは左チャンネル(A)はA23が受けもち、右チャンネル(B)は C12が受け持てば良いことになります。
AカーブとCカーブのMax抵抗はそれぞれ1.02と0.92 MΩで多少の違いがありましたが、まあまあ許容範囲と思われます。 MNタイプの場合は可変抵抗のセンターあたりで、それぞれフルの抵抗値を与えることから信号の損失はほとんどありません。 ACタイプの場合センターで、0.85あたりとなることから信号の15%程度が減衰することになりますが、その程度であれば 許容範囲と言えると思います。Bカーブをバランスに使うと50%の損失となりかなり大きくなるということが理解できました。
繋ぎ方についてですが、TOCOSのACタイプはシャフトのナットに近い側がAカーブであり遠い方がCカーブとなります。 MNタイプとは逆になりますから配線をするときに注意が必要になります。
今回の調査したACのバランス抵抗を22のモデルに組み込んで使ってみることにしました。音を出すのが楽しみです。 幸いACバランス抵抗はあと2個ありますので、今回成功すれば、後2台について改造してみたいと思います。 AlpsのMNタイプが気に入っていないということでは、決してありませんが、全てをTOCOSにしてみたいという 単純な理由です。

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