設計の方針としてなるべくModel7Kと同じものをつくること、できうる限りオリジナルパーツを使うこと、などです。これからクリアーしなければならないハードルは、
1 電源トランスの確保
2 レバースイッチはどうするか
3 レーバースイッチの先端ノブについては
4 つまみについては(大4個、小4個)
5 ロータリースイッチについてどうするか
6 ACラインの保護用のプラスチックは手に入るか
7 RCAのピンジャックをどうするか
8 整流素子はどうするか
9 ボリュームについては
10 電源用のブロックコンデンサーはどうしようか
11 フューズホルダーは手に入るか
12 真空管は何を使うか
なかなか手ごわそうな問題が山積しています。電源トランスを選定するために早速電源について調べてみました。要求されているのはB電源では280V(約10mA)です。半波整流直後の電圧で328Vと記載されています。ヒーターについては18.9V(0.3A)です。プリアンプ用の電源はあまり選択肢がありません。結局Tango(ISO)のGS35Dということになりました。スペックは(260-0V CT 35 mA, 15-0V 1.8 A, 6.3-0V 1.5 A)です。B電源は問題がなさそうですがヒーターについては15Vでは足りませんので15Vと6.3Vを直列にするか15Vの倍電圧整流にすることにしました。このトランスはケースに入っておりますのでリーケージフラックスという点では良いのですが既存のシャーシに収められるかどうか確かめる必要があります。それはACアウトレットソケットとアウトプットレベル調整用VRの間に格納できるかどうかということです。調べた結果これも問題がなさそうです。というわけでGS35Dにしました。次にレバースイッチについてです。これは大変困りました。秋葉原に行って足を棒にして歩きましたが見つけられませんでした。その後エレキギター(Fender)に使われている音質変更用のスイッチが使えることがわかりました。楽器屋さんで調達できます。つまみについてはサトーパーツの現行品で満足するかエイフルの復刻品を買うかです。エイフルさんのは高いですがやはり本物と同じ風格で素晴らしいです。こちらにしてよかったと思っております。難儀したのがロータリースイッチです。トーン回路とモード切替用は岩通のもので問題がありません。セレクタースイッチは困りました。要求スペックは8接点、10回路、ショーティング、20度ステップということになります。30度ステップはありますが20度というのはかなり特殊です。幸い製造販売しているメーカーを見つけました。
小島製作所です。特注品にもこたえてくれるようです。オーディオ用のロータリースイッチとしても定評があるようで某有名音響メーカーにも提供しているとのことです。
オリジナルModel7のピンジャックはかしめる構造のものでした。年月を経ると接触不良を起こすことが指摘されているのでここは少し妥協してねじ止めのものにしました。またオリジナルはセレンを用いた整流を行っております。セレンは湿度に弱く寿命が短いそうです。電気的特性を重視して今回はダイオード整流にしました。機会があったらセレンに交換してその違いを体感してみたいと思います。ボリュームについてはオリジナルはクラロスタット製だそうです。もちろん今に至っては手に入りません。オリジナルの第二世代では東京コスモスのものに取って代わられたそうです。たまたまアーレンブラッドのものが手に入ったので、アメリカンなテーストを味わうというつもりでとりあえずアーレンを採用しました。最終的にはこれをセイデン製のロータリースイッチを用いた抵抗の組み合わせ方式に変更しました。ブロックコンデンサーは現行品はありませんので自作することにしました。スナップインタイプのコンデンサーを円筒形のケースに格納することにしました。放熱の問題が少し気になるところです。一応105度まで対応のものを選びました。