Marantz Model7 KCXII の作製
 気がついたら次のモデル7を作り始めていました。今回は少しモチベーションが高いです。それはオイルコンデンサーの違いについて調べたいと思ったからです。電解コンデンサー格納用のアルミ容器も新しいものを作ってもらい、いつものように機構部品を組み立てました。何か目的を持った時は、あっという間に仕事がはかどります。今はコンデンサーの違いを知ることですから完成が待ち遠しい限りです。メインボードのタレットピンが少し不足していました。買いに行く時間がなかなか取れずちょっと焦っています。

オイルキャップの情報を集めてみました。まず内部構造については以下のような構造をしているようです(kotobank.jpから転載)。コンデンサーは2枚の電極部分とその内部に電気を貯めるための誘電体とで構成されます。オイルペーパーコンデンサーでは誘電体がオイルに含浸した紙ということになります。電極は最初はアルミ箔でしたが、その後銅や錫といった材質も使われるようになったそうです。含浸するオイルも植物油から合成油など、用途や性能などで多くのものが存在しているようです。その後、誘電体も紙からポリプロピレンなどの化学合成されたフィルムが用いられるようになり、一般的にフィルムコンデンサーと呼ばれるようになったようです。

ネットで色々と評判を見ていると、Arizona Capacitorsというメーカーのものにモデル7のバンブルビーを載せ替えると素晴らしい音になるとの記事を見つけました。Arisona Capacitors

日本でも入手できそうですが、高額なのと現在欠品しているようで、アリゾナを使うことは断念しました。とりあえず入手できそうなもの(時間的な問題と自分のお財布による制限)をネット販売などで集めてみました。

0.01μFのものはGeneral Instrument社(米国、現在は発展的にVishey社に引き継がれている)のものをeBayで購入しました。0.22μF/200VのものはSpragueの有名なVitaminQです。400Vのものはロシヤ製です。0.1と0.47μFはWest Cap社のものが手に入りました。ロシア製はちょっと異質な気がします。West CapかVitaminQが手に入ればそちらにしようと思っています。とりあえず容量を測定しました。なんとかなり正確でした。10%以内の誤差とうたわれていますが、さらに高精度だと言えます。
 バンブリビーの頃はパッケージに問題があったようです。容器の中にオイルを含浸した紙を閉じ込めるのですが、電極からのリード線を取り出すところからリークし、オイルが蒸発し、また空気中の水分がコンデンサー内部に侵入し、性能を劣化させたということが考えられます。その後、ハーメチックシールという技術が導入され、パッケージ内からリード線を外に出すときに強固な密閉が実現するようになったそうです。下の写真の部分がハーメチックの構造です。

バンブルビーの後期製品はMylarと呼ばれるポリエステルなどの化学製品の薄い膜(フィルム)と油を含浸した紙による2重構造の誘電体を容器の中に収めた構造のようです。Paper/mylar hybrid dielectric (Difilm)と呼ばれています。SpragueのBlack Beauty 160Pシリーズも同様な構造のようです。
 今回はCRを取り付ける時間はありませんので、とりあえずここで打ち止めです。Difilm構造のコンデンサーとオイルキャップとに違いがあるかどうか、早く試したいです。前回完成したModel7と現在制作中のものを一緒に撮りました。


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