無伴奏バイオリンソナタ&パルティータの部屋
バッハの無伴奏は最初にシェリングのCD(グラモフォン)を購入して聞き込んだのがきっかけです。難解な音楽だと思いながらもその魅力に取り憑かれていったことを記憶しています。無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータBWV1001-1006は、3曲ずつのソナタ(奇数)とパルティータ(偶数)合計6曲からなります。1720年バッハが35歳の時に書かれたことになっているそうです。バッハ研究家から幾つかの疑問が投げかけられているとのことです。例えばこれらの無伴奏バイオリン曲は第一巻と書かれており、第二巻も存在するかもしれないと考えられているようです。無伴奏チェロ組曲が第二巻だという説もあります。表題には通奏低音なしのヴァイオリンのためのという形容句が続きます。このことも色々と議論がされているそうです。また、1720年という年はケーテンで楽長として充実した日々を送っていたそうですが、最愛の妻に先立たれた年でもあったそうです。その頃はオルガンやチェンバロ奏者などとしても忙しく活躍していた頃だそうで、バイオリンの楽曲をその時期に作ったということは考えにくいとのことです。私はバイオリンの演奏もできませんし、研究家でもありませんが色々な演奏家の演奏を聴いただけでもその違いは歴然としており、それぞれの演奏家が色々な解釈をしているのだと感じさせられます。何度聞いても飽きること無く深く深く奥へ奥へと私を引きづり込んでいくような気持ちにさせられます。
Salvatore Accardo (PHILIPS 18PC-147/9)
1941年イタリア生まれで、パガニーニの再来と言われるほどの超絶技巧を持っていながら明るく澄んだ音色と美しく華麗な歌の魅力が評判の演奏家だそうです。この録音は1976年のものです。正確なピッチが印象的です。
Felix Ayo (PHILIPS SFX-9626/8)
1933年スペインのバスク地方の生まれですが、イタリアに帰化し現在はイタリアで活躍している演奏家だそうです。 このレコードはリズム感があり、軽快なテンポが快いです。抑揚が強調されている気がします。そしていくらか残響音がします。
Georges Enesco (Olympic Records OL-8117/3)
1881年ルーマニア生まれですが第二次世界大戦後はパリで活躍したそうです。母国語では[George Enescu]と綴るそうです。本レコードは1947年のモノラル録音を後にステレオ化したものだそうです。テンポが良いですが音程がすこぶる不安定です。色々なところでエネスコの評判はすごいですが、自分には未だそのすごさがわからない状態です。
George Enescu (Cremona mono cr 03)
復刻LPモノラル、晩年の録音、技術・音程に問題があると思われます。全盛期の録音を聞いてみたいと思います。米国ContinentalからモノラルLP3枚のセットがリリースされたそうです。ヤフオクなどで300万円もの高値がついているようです。なぜそのような高値がついているか大変興味がそそられます。しかし、もちろん買えませんし、買ったとしても怖くて自分のプレーヤーで聞く気がしません。
Bronislav Gimpel (Dover Publication HCR-5215,5228,5229)
1911年ポーランド生まれですが、その後活躍の場所を米国その後再びヨーロッパとし大学教授として後進の指導なども行いながら幅広く活躍されたそうです。
Arthur Grumiaux (Philips 3LP 6768 017)
1921年ベルギー生まれでビブラートが美しいと評判の演奏家だそうです。またピアノの名手でもあり録音も残っているそうです。このバッハの無伴奏は定番中の定番です。現代の演奏の標準として位置づけられていると聞いたことがあります。
Ida Haendel
1928年ポーランド生まれ(1924年生まれの説もあるそうです)で現在イギリスで現役としてご健在とのことです。1995年の録音ですから70才に近い年齢での演奏ということになります。テンポが少し悪いような気がします。また鼻息が聞こえますが、演奏家の生々しさと緊張感が伝わります。録音は大変良いと思います。
Jascha Heifetz (RCA SMA 25092-R/1-3)
1901年ロシア生まれの超有名な演奏家です。その後ロシア革命の動乱を避けてアメリカに渡り帰化されたそうです。最近「カーネギーホール」という映画で演奏の映像を見ました。映画自身も楽しいですが、ハイフェッツさんやブルーノワルターさんの指揮なども楽しめて貴重な資料です。音はかなり加工されていると思いました。このレコードは1935年にモノラル録音されたものが1952年発売されたようです。演奏は早めで・・・
Sigiswald Kuijken (ULS-3361-3H)
1944年ベルギー生まれでバロックバイオリンやビオラダガンパの演奏家です。バロックバイオリンによる重厚な音と引き換えにリズム感が欠けるような気がします。
Denes Kobacs (SLPX 12033)
1930年ハンガリー生まれの演奏家です。
Gidon Kremer (SLPX 12033)
1947年ラトビア生まれです。ドイツ系のユダヤ人で、後にドイツに亡命したそうです。説明が不要なくらい有名な演奏家です。一番好きな演奏家です。
Sergiu Luca (Stereo HC-73030)
1943年ルーマニア生まれ 古楽器演奏。やや音程が悪い。寂しげな演奏
Yehudi Menuhin
1916年ニューヨーク生まれ。
Bretislav Novotny
1924年チェコ生まれ
Itzhak Perlman
1945年イスラエル生まれ 端整な演奏、安定感が抜群。
Oscar Shumsky (MHS STEREO 4032/34)
1917年アメリカ生まれ
Josef Suk ( EMI C 183-02168/70)
1929年チェコ生まれ(ドボルザークの曾孫)
Henryk Szeryng (SMG 9026(1-3))
1918年ポーランド生まれ オーソドックスな演奏と位置づけられているようです。私は最初に聞いたのがこの録音のCD版でした。最近チューリップ版をオークションで入手しました。早速聞き比べをしました。チューリップ版は音が良いとされているそうですが、自分の持っている再生装置ではそのような印象は受けませんでした。むしろ、S/Nが悪いような気がします。
Henryk Szeryng (Columbia 32 36 0013)
1918年ポーランド生まれ
Josef Szigeti
1892年ハンガリー生まれ
Emil Telmanyi
1892年ハンガリー生まれ バッハ弓による演奏です。音はバロックバイオリンに似ている気がします。重音が豊かに出ているところがとても印象的です。パイプオルガンの演奏を聴いているような錯覚を覚えました。鋭い切れは感じられません。全体として楽曲の印象が他のモダンバイオロリン奏者と異なったものになっているような気がします。一度は聞いてみるのも良いのではないでしょうか?
Paul Zukofsky (VSD 71194/5/6)
1943年アメリカ生まれ。1971/72年録音 全体的にテンポがはやい

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