マランツ型コントロールアンプの作製
ラジオ技術誌の記事の中でマランツ型のプリアンプ(コントロールアンプ)とイコライザーアンプの特集がありました。その記事を見ているとプリアンプを作ってみたいという衝動に駆られました。今まではメインアンプばかり作ってきたのでプリアンプも作ってみたいと思い立ちました。中学生の頃ゲインの高いアンプを作ったは良いのですが、ハムに悩まされていたことを思い出します。なんとなくプリアンプアレルギーでした。プリアンプは必要がないという意見も多くあるようです。最近はCDなどの音源は十分に出力があるので増幅する必要がないということもあり、CDデッキからダイレクトにメインアンプにつなげて聞いていました。プリアンプを使った場合音はどのようになるのでしょうか?
ライターの氏家氏が設計したコントロールアンプの回路はマランツのモデル7に似ているところもありますが、違うところもあります。おおざっぱにいうと3極管3本による増幅回路です。3本目はカソードフォロアとなっています。そのカソードから初段のカソードにNFBがかかっています。ここまではモデル7とよく似ています。しかし初段とカソードフォロアに12AU7を使っているところが異なるところです。また氏家氏のアンプでは次段のプレート電流が著しく絞られているということです。プレート抵抗が680kΩです。こんなに電流を絞ると真空管の歪が大きい領域での動作になるのではと心配です。氏家氏の記事ではアンプには極端なところが必要でそのことにより驚くような圧倒的な音が出てくるという芸術的な描写があります。少し不安と疑問を持ちながらも同じものを作ってみようと思い立ちました。最後のカソードフォロアに12AU7を使っているところは納得できます。むしろどうしてModel7ではECC83(12AX7)を使ったか疑問が残ります。勝手な想像を膨らますと、全て同じ真空管で統一したほうがメリットがあると考えたからでしょうか?
β回路として1kΩ/33kΩを採用しています。Model7では4.7kΩ/82kΩです。低音も高音もブースター回路となっています。簡単なシミュレーションをしてみました。その結果は
低音の結果はこちら
高音の結果はこちら
素直なトーン回路であることが解ります。ターンオーバーは3つのコンデンサーで切り替えることになっています。そのシミュレーション結果は
低音の結果はこちら
高音の結果はこちら
このようになりました。仕上がりがどのようになるのか楽しみです。早速設計に取り掛かりました。
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シャーシはリードのKE-2というものを秋葉原のエスエス無線で購入しました。サブパネルとメインパネルの2重構造となっており、メインパネルにはパネルを支えるためのネジがなくとてもすっきりしたマスクです。サブパネルとメインパネルの位置がずれては困りますから最初にサブパネルの穴あけを行い、あけた穴を頼りにメインパネルの穴あけを行いました。おかげでぴったりでした。デザインですがかなりModel7を意識したものになってしまいました。Model7で使用しているようなレバースイッチを探しましたが秋葉原の店頭では見つけることができませんでした。時代とともに供給されるパーツも変わってきているようです。
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リアパネルにも気を配りたいものです。。イコライザー回路を組み込むかどうかは現時点では未定ですがとりあえずPhono入力を2系統つけておくことにしました。現時点ではどうするか方針を決めていません。最後に白字のインスタントレタリングで文字をつけて透明の塗料でカバーしました。
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メインボードはベーク板です。ラジオ技術誌のとおり裁断し穴あけをして端子をねじ止めしていきました。このような基盤の配線は初めての経験です。どのような効果があるか知りたいところです。
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